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『日本が売られる』(堤未果著 幻冬舎新書)をテキストに、インターネットなども活用した小さな勉強会。 (c) Workers For Peace/「Peace Up 9条可視化」の会
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7月1日、返還23年を記念して集まっていたデモ隊にいきなり催涙スプレーや水が吹きかけられ、300人以上が逮捕されたという。6月30日に香港の多くの人の反対を押し切って施行された「国家安全維持法」とはどんなものなのだろうか?

 罪に問われる可能性のある行動は以下の4つだという。
 ①    国家分断罪…香港独立派への資金援助。
 ②    国家政権転覆罪…議会や警察の建物包囲・共産党一党支配の終結提唱。
 ③    テロ活動罪…信号や地下鉄施設の破壊・破壊行為のネット呼びかけ。
 ④    外国勢力と結託して国家安全に危害を加える罪…中国や香港への制裁を外国に訴える。

これらは拡大解釈され、「香港独立」という旗をかばんに入れて持っていただけで逮捕されるという事態になっている。今まで正当な抗議活動とされていたものが、「国家安全維持法」の施行により犯罪として逮捕され、中国本土へ送還される、という事態になりかねない。7月8日には「国家安全維持公署」が香港中心街に作られ、議会や行政機構とは別に、治安維持に力を尽くすという。戦前日本の特高警察のようなものでなければいいのだが。
 
この、思想・言論の自由の弾圧は、遠い香港のものとして「他人事」と思っていていいのだろうか。とんでもない、今日本でも自由にものの言えない時代が近付きつつある。例えば2019年の参院選。札幌で安倍総理が応援演説に立った時、「安倍やめろ」とコールした人が25人もの警官に取り巻かれて排除された。国会でしょっちゅうヤジを飛ばしている、あの人の応援演説において、である。国民には自由にものを言わせないという圧力が高まっているといわざるを得ない。これを北海道放送が「ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に~」という番組にして第57回ギャラクシー賞の報道活動部門”優秀賞”を受賞した。これは、日本ではまだ言論弾圧という事態にまでは至っていない、という一つの証左ではないだろうか。
 
それを支えているのが「日本国憲法」である。最初から最後まで読み通した人は少ないかもしれないが、格調高い前文、戦争放棄を定めた第9条、基本的人権を保障した第11条、自由を保障した第12条、個人を尊重する第13条、法の下の平等を定めた第14条など、読んで自分の力とすることのできる条文が目白押しだ。ことに憲法制定の国会で、鈴木義男(ぎだん)さんが強力に押してくれた第17条(公務員の不法行為による国家賠償)、第40条(刑事補償)は、「おかみ」にものの言えない国民性を心配した義男さんが、ほかの議員たちを説き伏せて条文にしてくれたものである。

この憲法は、香港で起こっているような、国家権力による弾圧を、憲法21条(集会結社及び表現の自由と通信の秘密)、25条(生存権)や32条(裁判を受ける権利)さらに33条(逮捕に対する補償)、34条(抑留及び拘禁に対する補償)、36条(拷問・残虐刑の禁止)などなどでしっかり不当であると定めている。敗戦後の混乱の中で、「進駐軍に押し付けられた」と思いこんでいる人がいるようだが、とんでもない、新しい日本をつくろうという熱意ある国会議員たちが、必死の努力で作り上げたものなのだ。

安倍・自民党は、このすぐれた憲法を「改正(悪)」して、緊急事態条項(別項)にみられるような独裁国家に仕立て直そうとしている。敗戦後の国会議員たちが、不眠不休で作り上げたこの憲法を、80年近くがたった時代の子孫たちが、なおざりにして放り出すのか、それとも崇高な理想をもう一度取り戻して自分たちの血肉にするのか、今こそ国民の意思が問われている。
               
(文責 長友くに)



⚫️参考リンク

香港国家安全法 by Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E9%A6%99%E6%B8%AF%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%A1%8C%E6%94%BF%E5%8C%BA%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%B6%AD%E6%8C%81%E6%B3%95

【解説】香港の「国歌安全法」 なぜ人々をおびえさせるのか (2020年7月2日BBC)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53259691

日本語全文(それぞれ私訳)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3ecf09f2a859fe481e9c1c81709882c787a6cf5

https://xiang-dian.hatenablog.com/entry/nsl




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長友くに 


「えっ、これは何?」628日午後4時からの都知事選候補生出演の公開討論会のユーチューブを見て、本当に驚いた。候補者の一人がこう叫んだのだ。

SDG
sといっても、「何それ?」という方も多いかもしれない。つい最近まで私もそうだった。621日投開票で下田市長選があった。6月初めに、現職に挑戦する新人候補が、村人に連れられて村を回っておられた。そこで「現市長はひどい。防衛大教授だったのを利用して自衛隊を自由に動かせるのを誇りたいらしい。黒船祭にヒゲの隊長佐藤を呼んだり、Jアラートの訓練と称して海岸通りを隊列行進させたりしている。下田周辺では洋上風力発電計画があるが、風力発電も太陽光発電も環境にやさしくなければ意味がない」などと持論を述べたところ、「SDGsですね」とその候補者が言ったのだ。あれ、聞いたことあるけどなんだっけかな、という感じだったので早速調べてみた。するとSDGsとは20159月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた目標だということが分かった。まず「8つのゴール」、具体的な17の目標それを見てみると「これはいいじゃないか」と思えるものだった。「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など、地球上の問題を取り上げてその解決を目標にする。「差別をなくし」「平和と公正をすべての人に」などは「日本国憲法」の精神といっしょだ。そう思ったので、『日本国憲法』の主な条文解説といっしょに「日本国憲法の先進性に世界が追い付いた」というようなことを書いて配ったりした。

ところがどうだろう。
4050代と思われる候補者は「SDGsをぶっこわせ」と叫ぶのだ。この人はいったい何を考えているのだろう」と心配になった。「ホリエモン新党」とは、何を求めて結成されたのか、普通なら泡まつ候補としか思えないような人間が3人もそろって「ホリエモン新党」、そして掲示板には自分の顔写真ではなく、堀江氏の写真が大写し。これはいったい何が起こっているのだろうか。なんだか従来の「選挙」がズブズブに崩れていく感じがする。国民が政治に直接かかわることができるのが「選挙」。民主主義の基本といわれているのに、である。

そこでさらに調べて驚いた。SDGsのかかげている目標には、それぞれの国の思惑があり、裏ですさまじい権力闘争があるのだという。例えば「クリーンなエネルギー」といっても、日本のようにまだ原発にしがみついていたり、原発がダメなら石炭火力、とばかりにCO
2排出問題の真っただ中に飛び込むような施策を掲げる国もいる。それに対して中国は風力発電。太陽光発電で抜きんでた実績がある。EUの国々も自然エネルギーへの転換が進んでいる。SDGsという目標ではなく。それぞれがビジネスチャンスとばかりにうごめいている闇が垣間見えてしまう。

先の候補者は、何を考えて「SDGsをぶっ壊す」といったのか、この闇の部分を壊したいというのか、それとも「平和なんてしゃらくさい」とでもいうのだろうか。しっかり見極めないととんでもないことになるような気がする。SDGsを世界の目標とするには、一人一人の市民が動き、努力することが必要であると改めて感じたのである。


SDGs8つのゴール

ゴール1:極度の貧困と飢餓の撲滅
ゴール2:初等教育の完全普及の達成
ゴール3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
ゴール4:乳幼児死亡率の削減
ゴール5:妊産婦の健康の改善
ゴール6HIV/エイズ、マラリア、などの疾病の蔓延の防止
ゴール7:環境の持続可能性確保
ゴール8:開発のためのグローバルなパートナーシップ推進





SDGs短歌

http://osyabericafe.bangofan.com/未選択/SDGs短歌-長友くにさん-


参考リンク→

持続可能な開発目標 by Wikipedia

国連 SDGs

SDGsとは?(外務省)


持続可能な開発目標(SDGs)の“功罪” (みずほ情報総研)

新型コロナ流行の今、SDGsの意義とは (読売新聞)

特集 SDGsの裏側(ダイヤモンド編集部)




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