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『日本が売られる』(堤未果著 幻冬舎新書)をテキストに、インターネットなども活用した小さな勉強会。 (c) Workers For Peace/「Peace Up 9条可視化」の会
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安倍政権が倒れた。表向きは持病の悪化だが、森友加計学園の国有財産不当払い下げ問題、「桜を見る会」の公職選挙法・政治資金規正法違反問題、黒川検事長の定年延長問題、河合元法相夫妻の1憶5千万円ばらまき問題など首相官邸に何度も捜査のメスが入ってもおかしくない事態を引き起こし、新型コロナウィルス対策では文科大臣も寝耳に水の全国の公立校一斉休校の独断的対策、旧式の布マスク全家庭2枚配布問題、まだ病気蔓延期にGOTOキャンペーン実施でウィルス拡散疑惑、などなどやることなすこと的を外れ、国会で答弁することも記者会見もできない状況に追い込まれた結果の政権投げ出しではないか、と思われる。
 
その安倍政権の最後のおきみやげが「敵基地攻撃能力」だ。「敵って誰?どこの国?」「敵基地ってどこ?」「攻撃能力ってどのくらいの武装をするの?」「そもそも憲法違反では?」など突っ込みどころ満載なのに、具体を表明しないで逃げてしまった。「安倍政権を継承する」という菅内閣が確実視される状況に、支持率急上昇とはこれいかに?
 
そこで思い出されるのは、もう20年前に書かれた『戦争案内』だ。著者は高岩仁さん。2008年に72歳で亡くなられたが、「教えられなかった戦争」シリーズなどすぐれた映像作品を残した方だ。同名の『戦争案内』は、著名な劇作家ベルトルト・ブレヒトによって1955年に作られた写真と4行詩からなるもので、これのスライド化に高岩仁さんはかかわり、大きな影響を受けたという。
 
「戦争の原因!戦争はだれが必要として起こすのか。考えてみたら今まで、学校教育でも平和運動をたたかう中でも、日本が過去に何度も起こしてきた戦争について、その原因をちゃんと明らかにしたことがあったでしょうか。」と高岩は問題提起している。その答えの一つは、ブレヒトが以下のように述べているという。「資本主義体制は、その体制を広めたり維持していくために、必ず暴力を必要とします。暴力など使わなくても、資本主義体制は維持できるはずだという人がいますが、それは真実ではありません」と。また、フィリピンの歴史学者レナト・コンスタンティーノさんは、高岩に「日本人は今まで、一度も自国の歴史を正しく理解したことがないのでは?」との問いを突き付ける。その理由は、「日本の歴史書や、歴史教科書をたくさん調べましたが、今まで日本が行ってきたアジアに対する侵略戦争の張本人を、すべて軍人や政治家として描いています。しかし基本的に軍人や政治家は、金で操られた操り人形の役をしたにすぎません。戦争を必要として計画して金で軍人や政治家を操って、莫大な利益を上げてきたのは、財閥・資本家たちですよ。しかし日本の歴史書には、このことはどこにも書いてありませんね。」。「戦争」の表皮をめくってみれば、資本家たちの「金儲け」の欲望が渦を巻いているのである。高岩の『戦争案内』はその真相を次々あばいていく。日清・日露戦争のあとの台湾製糖業や満州地方の大豆などは三井などの財閥に買い占められ、また1930年代の5.15事件とか2.26事件という青年将校のクーデターの裏にも大資本・財閥から巨額の資金が渡されていて、日本の軍国主義化を一層はやめていった、というのだから驚く。「日本の民主化をクーデターで押しつぶして、軍事政権を樹立、アジア太平洋戦争へ」という章題のもとに、東南アジアやフィリピンでの利権を求めた軍需産業が日本軍を動かし、いかに資産を増やしていったかが述べられる。
 
これらの資本家たちは、平和憲法のもとでも相変わらず利権を求めてうごめいており、この本の出版後になるが、2014年の「防衛設備移転3原則」で武器輸出に道を作り、また今回の「敵基地攻撃能力」で新たな軍需でのもうけを企んでいると思われる。そういう資本家の野望のために、国民が戦乱に巻き込まれて塗炭の苦しみをなめる事態が近づいてくるのを、黙って見過ごしていていいのだろうか。


(文:長友くに)



参考リンク


憲法を考える映画の会」HPより
http://kenpou-eiga.com/?p=232


ツイッターハッシュタグ #戦争案内
https://twitter.com/hashtag/%E6%88%A6%E4%BA%89%E6%A1%88%E5%86%85?src=hash

監督作品
https://movie.walkerplus.com/person/99989/




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